西日本ツーリング2023年 ステージ1

ついに出発した!

 いよいよ長期ツーリングに出発する。早期退職はこの日のためにあったと言っても良い。バイクでの長期ツーリングは実に40年ぶり、さて、60才にしてどんな旅になるのか?ボクもわからない。
 今回の旅は移動に主眼を置かず、その土地を楽しむイメージの旅を考えている。期間は40日間。
 とりあえず今回は『坂本龍馬と植村直己に会うたび』をテーマとした。この理由や詳細はどこかで書くことだろう、さて、出発!

ステージ1 雨のキャンプ』 自宅~浜松 の旅■

1日目 移動 自宅→浜松 
 2023年5月17日(水)、ご近所さんへご挨拶し出発。このバイクにテントや釣り道具など旅用品全てを満載するのは初めて、ずっしりと重いバック類がちゃんと固定出来たかがかなり気になって、念願の旅について感傷的になる暇は無く、あっさり旅立ちする。

 なるべく高速道路は使いたくないが、今日は浜松まで一気に行くつもり。
 天気は良く富士山がきれい、静岡手前までずっと富士山が見え、見送ってもらっているみたい。久々のバイク長距離移動のためか、あるいは初日の緊張のためか、1時間バイクに乗り続けると腰が痛くなり結構頻繁に休憩を取る。

 日本平PAで昼食後、その辺にあるベンチでゴロン昼寝を試みる。高速道路のパーキングなので浮浪者とは見られないだろう思ったが、やはり視線は気になり寝られなかった。今日は暑い!が、風が強くバイクはちょっと怖いレベル。


 高速道路代をケチって浜松手前の袋井ICで降り、国道1号を走る。
 15:30、渚園キャンプ場へ到着、受付の方が優しい、ゆるきゃんの聖地らしくグッズ類が多く販売している、買うヒトがいるんやね?

渚園キャンプ場、浜名湖の中の島にある。有名らしく平日でもキャンパーは多い。デイキャンプも多い。

 広大な芝生っぽい草地、敷地の1/4はフリーサイトで、残りがオートサイト。フリーの方は410円/泊と超格安。もちろんボクはこの値段を理由にここに決めたんだけど、この施設でこの値段、しかも名が売れているキャンプ場なのに、このままの価格で是非頑張って欲しい。
 3年前に来たときも思ったけど浜名湖周辺は風が強い、今日もテントが張れないくらい強風である。

 夕日が浜名湖の湖上にきれいに沈んだ。

夕日が湖水に沈む、今日は天気が良く沈みきるまでずっと眺めていた。

 今回からコット(簡易ベッド)を使うことにしたが、大きすぎてテントの中に入らず慌てる。旅の前に試さなかった自分の軽率さを悔やむが、気を落ち着かせて考え、テントの中で組み立てればギリギリ使えることが判明。このベッドは熟睡でき秀逸、キャンプでつなぐ旅には必需品である。

ギリギリテントの中に収まったコット(簡易ベッド)、コイツは絶対必需品、快眠です。

 夜静まれば、新幹線の走る音が遠くに聞こえてくる。そばにある体験学習施設 ウォットの水槽の水処理音は終日聞こえるが、全く気にならない。緊張の1日目だったせいか、20:30に就寝。

2日目(木) 浜松 渚園キャンプ場
 日の出ともに起床。フリーサイトはテントが25張ほど、9割はソロかな、最近はソロテントも大型化しているね~~。

 お隣さんはバイクソロの方、昨日から声をかけようとしたが、
 「ソロキャンプはひとりになりたいのだから(声をかけないで)」
 そんな表情されているのを深読みし昨夜は遠慮した。今朝は撤収を始められ
 「今日はどちらまで行かれますか?」
と声をかけようとしたら、イヤホンを装着されているが目にとまって再び遠慮する。ご出発前にようやく目があってご挨拶できた。鹿児島まで行かれるそう。
 どうも話しかけるタイミングがうまく掴めていないが、まだ自分が旅慣れていないせいでしょうね。
 
 旅初日のお疲れのせいか動きたくなく、テント内でダラダラしていたが気を振り立たせて11時頃、ようやく浜名湖周辺見学に出発。行き先は? ここでもケチケチ精神を発揮して、特に無料の施設を選んで行ってみることにする。
 
 今回ホンダのバイクを購入させて頂いたので、「本田宗一郎ものつくり館」へ。宗一郎さんやホンダの本は何冊も読んでいるので、展示は周知の内容が多いが、もう100年も経ち、こんな奥地の田舎生まれだったのか驚く。このようなヒトはもう出ない、日本は衰退していくばかり、なのでしょうか。

本田宗一郎さんの記念館、ボクが生まれる前のバイクが並ぶ、この時代にこの技術がと驚く。

 次に「航空自衛隊 浜松広報館(エアーパーク)」へ、どうせタダだからとショボい施設を想像していたら、大きな施設で内容の充実に驚く。施設の方から「VR体験しませんか」と声かけられ、戦闘機のそばに立っていかにも説明したそう表情している施設の方が居るが、残念だが昼飯を抜いているので早々に引き上げた。

内容が濃く見応えがあった。じっくり見学した方が良かったが、昼飯抜きだったのでぐるっと一周しただけ、残念もう一度来よう!

 なんと明日の天気は大雨の予想。明日の三重までの移動を予定を中止し、近所のホテルを予約しかけたが、雨だけなんだからこのままこのキャンプ場で停滞し雨をやり過ごそうと決めた。1日延泊をお願いしに行ったら、あとで施設のお兄さんがわざわざボクのテントまでやってきて、水たまりの出来やすい場所など注意してくれた。明日は雨というのに、これからキャンプする強者グループが結構やってくる。今夜は10組くらいか。

 せっかくなので渚園を一周、ランした。浜名湖がどの角度から見ても美しい、35cmくらいのチヌが悠々と泳いでいるのがすぐそばで見えた。

キャンプ場のある島をランで一周する。湖畔の景色は最高です。

 明日の雨対策で、食料品ともちろん酒をどっさり買い込み、持参物を全てビニール袋にパッキングした。心配なのはバッテリー類だな~~。充電せずに保つのかな~~。

 すぐ隣に騒がしいグループが来た。各地からここに集まってきたグループのようで、悪い予感しかしない。案の定早々に飲み会が始まり、キャンプ場一杯にその声が響き渡っている。なかでも、やたら大声で叫ぶ感じで話す方や、笑い声だけがひたすら大きい方など居て最悪状態。キャンプグッズは見たこともない立派なモノだし、手際は良いので相当キャンプ慣れしているベテラン風だが、各地でこんな風に大騒ぎしているのだろうか?16時くらいから”本格的宴会”がはじまり、少しずつメンバーが増えて12名の大集団となり、結果夜中の1時までだった。
 
 今回の旅は、こういうことも折り込み済み。ガマン!しろと何度も自分に言い聞かせて、こちらもイヤホンで防音して酒をたっぷり飲んで早めに寝たが、24時には起きてしまった。こちらももう一回ひとり宴会を再開した!
 キャンプは鳥や虫の声を聞いたり、ひとり夜空を眺めて良いですね~~、と思われがちだが、こんな風に周囲の話し声がうるさいことも多い。まあ、今夜は史上最悪ですね。

夜中まで大声で宴会をするグループがうるさい。以前は文句を言いに行っていたが、今はなにが起こるかわからないからガマンする。

3日目(金) 浜松 渚園キャンプ場
 予報通り7時頃から雨が降り出し、9時には本降りとなった。旅行3日目にしてもう雨の試練か!今日は終日テント内で過ごすこととする。テントに当たるパラパラという雨音を聞きながら、本を読むのも良いのよね~~。

大雨予報なので今日は1日、テントの中で過ごすこととする。雨がテントに当たる音が良いバックミュージック。

 今回は、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」8巻を持ってきた。青春時代に大いに感動した一冊、旅をしながら久々に読み返しあの頃の熱い心を取り戻し、高知で龍馬像に会おう!これが今回の旅のテーマのひとつ。
 ただ、若い頃に聴いた曲は何年経っても忘れず歌えるのと同じか、30年ぶりに読むというのに、内容や展開を全て覚えていてちっとも感動しない。意外でした。年とれば何があっても物事に動じないし、その分感動する心も薄れているせいもある。今回の旅は、自分がいかに年を食ったのかを知らされる旅になるかも知れない。

今回の旅の読書本。30数年ぶりに読むのに、内容はまだ完全に覚えていてまったく感動しないのはなぜ?

 雨中キャンプも良い、とうそぶいて言えるのは風が無い場合で、ここ浜松はそうは行かないらしい。雨と風が強くなり、自慢のテントも侵水が気になって、雨具を着て何度も外を点検する。

雨がかなり降ってきた、テントの中から水たまり具合を見るが水はけはよさそう。引き続き、心静かに読書する。

 でもこんな雨の中なのに、新たなキャンパーが来る。さすが聖地! 全員ソロキャンプ。こちらは3泊目なので村長を気取って、「その辺は水たまりがあるからこのあたりが良い」など世話を焼く。ついでに色々と話を聞いた。

サイドカーの方は都内在住でご近所、60才、以前は原付で旅をしていた、今回のサイドカーバイクは買ったばっかり。同世代で同じような旅をされていて、大いに励みになった。
バイクで日本一周のお兄さん、仕事を辞め旅ははじまったばかり、これから北上する、さすが荷物が少なく手際が良い。雨を全く気にしていないところが若い、うらやましい。
・明日からはじまるSSTRサンライズ・サンセット・ツーリングラリー 2023に参加する富山の方。各地のこういったイベントに参加されているよう、同じアドベンチャー型バイクで親しみを感じた。
・雨の中濡れながらテント設営されていた若いイケメン君。雨のキャンプは初めてなんですぅと心配そうな割に、絵を描き出したり、本を読んだり、心からキャンプを楽しんでいる感じで、ナイス!
 
 17時、雨の隙間に買い出しに行った。その後また雨が降り出した。でも、なんとか今日一日、雨を制覇したな~~。明日は、撤収と移動だ!

忘れられない雨中キャンプを経験した渚園キャンプ場、ボクらみたいな旅行者には最高のキャンプ場でした。

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