「退職しバイクを買ったのなら、7月は北海道だろう!」
7月1日と14日に家族の用事が出来た。短いがこの間に北海道行きを強行することにした。
個人旅としては42年ぶりの北海道だった。
結果、12日間で2,800km走行のツーリングとなった。
「北海道に来て良かった!」
心からそう思わさせられた旅だった。
今回の旅のテーマは『Encounter』
2023年7月2日(日) 自宅→新潟→フェリー
朝5時に自宅を出発、二輪車休日割引を利用することで高速道路を奮発し、新潟のフェリー乗り場を目指す。昨夜少し興奮して寝られなかったせいか、体調が悪い。わざわざカミさんに作ってもらったおにぎりがあるが、食欲が無い。
余裕を持った工程だったつもりが、乗船タイムギリギリの10:45に新潟のフェリー乗り場に到着した。
フェリー乗り場には、居ました!100台近い旅使用のバイクと、ジジイ軍団。大排気量と高級バイクに、大小の荷物をくくりつけ、勇ましいライダージャケット、ただ間違いなくその9割は、髪の毛が薄いか白髪頭である。
「すごい!同じ年代で、同じ趣味の人がこれだけ居たんだ!」ただ感激。
フェリーに乗船後、早速ビールとおにぎりで昼食と、入浴。到着は翌4:30と早朝なので、今ここで昼寝をして、夜寝られないより頑張って起きていて、20時頃に寝ようと決めデッキで過ごす。
山梨から来られたKG氏と親しく話す。同じ海外経験者で話が弾む。LINE交換。
7月3日(月) 小樽→支笏湖
船は定刻に小樽港に到着。さすが少しヒンヤリ、残念ながら雨模様なので、北海道上陸の感激は薄いな~~。
まずは「神威岬」を目指したが、早朝で入り口がまだ閉鎖だった。
そのまま岩の景観が素晴らしい積丹半島を一周し、岩内市内のコンビニで朝食、まだ8時前なのに既に120km走行していた。今日は長いぞ。
ニセコ方面に入り、ニセコパノラマラインを走る。さっそく道路上でキタキツネを発見、結構やせているね、ようやく北海道へ来た感じがする。
特に目的地も決めず、道の駅をつなぎながら羊蹄山を一周した。羊蹄山は雲の中で見えない、ジャガイモの花が咲く畑の景観がとてもきれい、良く見ると畑によってジャガイモの花の色が微妙に異なるんやね。
道の駅「名水の郷きょうごく」で、湧水を飲む、臭みが無く美味しい。が、ここでついにカメラのレンズカバーを落としたようだ。宮城から来たVスト250のおじさんと話す。ボクとおなじとほ宿泊の旅らしい。
「洞爺湖」に来た。せっかくなので湖を一周しようとしたが、さすがに今日は既に300km走っていて、眠い。夕日の見える渚公園でUターンした。「昭和新山」が見るからに異様な山容で強烈な興味がわき行ってみたが、有料とわかり入り口でUターンした。はっはっは、ケチジジイ!
「支笏湖」へ向かう。途中、きのこ王国という大きなパーキングがあって、どうも家族で来たことがある記憶がよみがえる。あとからわかったが、千歳空港からルスツリゾートへの通り道で、バスの休憩所になっているらしい。
今夜の宿、支笏湖畔モラップ内にある「ラップランド」到着。本格的なログハウスである。
夕食まで支笏湖に釣りに行く。教えられたとおりボート桟橋でフライロッドを振るが、さすが透明度を誇る湖なだけあって、ボクの自慢のフライも丸見え、お魚さんには完全に見切られていそう。
42年前の日本一周の時にキャンプした支笏湖畔はどこだろうか?とても気持ちよかったキャンプだったことは今も覚えている。
宿泊者はボクひとり、宿のご夫婦と3人で夕食と21時からの飲み会、楽しい会話でした。
7月4日(火) 支笏湖→襟裳岬→大樹
朝6時もう一度釣りに行く。太陽は高く既に釣りとしての地合いは過ぎている、本当は日の出3:30には行きたかったが、早朝からゴソゴソやると宿に迷惑かと深読み遠慮してしまった。1匹だけだが、60cm以上はあろう魚が悠々と泳ぐのが見えた。アレは鯉ではない、有名なブラウントラウトか?
襟裳岬へ、南下するにつれ曇ってきて寒くなってきた。途中道の駅で、風呂に入り気分転換、長い道のりだ。近づくにつれどうしても唄を口ずさんでしまう、ボクの年代は森進一だけど・・。襟裳岬は曇っていた。
広尾方面へ北上し、今夜の宿「セキレイ館」へ。
同宿のAW氏は、何と同じ市内在住の方だった。2段ベットを挟みながら話が弾むが、残念ながら彼は夕食はキャンセルで、お酒もセーブ中だった。LINE交換。もう1名のIT氏は函館のお医者さんだった。
7月5日(水) 帯広方面をウロチョロ
昨夜の夕食も美味しかったが、朝食も豪華。
近くの「ナウマン象記念館」へ、小さな記念館だが、発見当時の興奮が伝わる展示で、興味深く丁寧に見る。ボクとしては有名な観光地訪問よりも、こういうのが興味深く面白くてたまらない。
「幸福駅」へ、もちろん線路は廃止され、単なる観光施設とは知っていたが、ここだけは42年ぶりにどうしても訪れたかった。当時、我々若者の旅の大きな手段は、JRである国鉄の周遊券を使った鉄道の旅だった。でも僕たちは友人と二人で、おんぼろハイエースで日本一周した。この幸福駅は理由はわからないが、どうしても忘れがたい思い出である。
天気も良いので、昨夜のAW氏おすすめの「ナイタイ高原」へ。せっかく晴れていたのに近づくにつれ曇ってきて、展望はあまり良くなかったが、これまで海岸か森の中の走行が多かったせいか、高所から見下ろす眺めは心洗われる。
14:30、ここから宿のある厚内までは125km、都内だとこの距離はたっぷり4時間はかかるが、北海道だと2時間、この違い良いね~~。
今夜の宿は、「待ちぼうけ」、午前中の晴れから一転し曇り空でとても寒くなって到着した。
宿泊はボクひとり、お魚料理がうまい!ご主人とサシで長くお話した。
宿の書庫に懐かしい本多勝一著「北海道探検記」があり手に取る。冒頭、北海道は内地とは違う、なにが違うかと言われても本質的に根本的に異なる、みたいなくだりがあり、今ボクが感じている心境が断定的に結論づけてあり、スッキリする。そう今ボクは、
『北海道は本州とは違う、そしてそれを感じるために毎年来よう』
と思い始めている。
7月6日(木) 釧路→摩周湖
朝から予報通り雨、朝食後に読書する。どの宿にもマンガを含めて楽しそうな本がいっぱいある。
9:15雨の中出発するが、釧路あたりでは風も強くなりバイクでは怖いくらい。
今日は、釧路湿原を詳しく見て回りたかったが、この天気であきらめ「細岡展望台」で、湿原の大きさと自然感を少しだけ味わうだけになった。
屈斜路湖を望む「美幌峠」に着いた。雨はやんだが、風は強く視界はさっぱりだった。
誰も居ない釧路川の源流部で写真を撮っていたら、湖面で魚がはねている。近づくと産卵期のウグイが大集合していた。
『えっ!屈斜路湖って魚が居ないんじゃ?』(と思っていたボクは)
ビックリ。さすが北海道、ウグイと言えども大きい!釣り師の心が大きく揺さぶられた。
今夜の宿は「ましゅまろ」
同宿の方は2名
・YM氏、一歳下、旅のプロ、北海道ことは良く知っている、今回はくるま旅
・KZ氏、69歳、Vスト1050、もちろん旅のプロ、温厚
お二人ともお酒は飲まない方で、恒例の21時からの座談会ではボクひとり飲んでいた。
今回「とほ宿」の泊まり旅だが、宿泊客はどの方も旅の強者・猛者ばっかりで、ボクのような今回北海道は初めては幼児扱いである。しかし、先月の西日本ツーリングでは、キャンプ+バイク旅をしている方はほとんど見かけず、ともすればボクって変人なの?と思わなくも無かったが、北海道ではそこら中にそんなおっちゃんが居、てしかも経歴の長い旅の古豪・強豪ばっかり!
『ボクはまだまだ旅人としては若輩者だ』
7月7日(金) 摩周湖→サロマ湖
無料なので「摩周湖の展望台は第三」の方へ、駐車場で車で金沢から来られたご夫婦と話す。昨日は霧で摩周湖は見られずまた来たとのこと。名刺までもらった。第一展望台は晴れてとてもきれいだったとの情報を得られ急ぎ移動された。次に岡山から車にバイクを積まれているおじさんと気が合い、一緒に展望台へ。少し晴れてきたかな?
「さくらの滝」へ、先に来ていた熊本ナンバーのバイカーさんに『魚は?』と聞いたら『めっちゃ居ました』を強い九州訛りで答えてくれ心が和みました。
なるほど、サクラマスが3mくらいの滝へ向かってジャンプしている。釣り師としてはこんな大きなこれだけ多くサクラマスが居るのかと心が騒がないはずが無い。でもよくよく眺めていたら、滝登りの成功率はかなり低いことに気がつく。まったくと言って良いほど滝越えには成功していないのに、次から次にジャンプしてくる。そのけなげな姿にどんどん心を奪われる。何のために、なにを求めて、無謀なジャンプを繰り返すのか?
「神の子池」を見て、「裏摩周湖展望台」へ。こちらからは完璧に晴れてきれいな湖面が見える。ここは42年前に歩いて湖面まで降りたことがある。当時は熊のことなどまったく考えずに、若気の至り、ただ幸運だっただけか?
スズキのV型1400にのったおっちゃんと話す。見かけは?だが、気のさっぱりした方でした。
地球が丸く見えると言う、バイクの聖地「開陽台」へ。天気が良く、今日は地平線が良く見える。
標津から斜里に向かう国道244号は途中民家も無い長い道だった。13時過ぎたのにランチもまだだし、水も切れたが自販機さえも無い。14時過ぎ、ようやくコンビニが現れたが、北海道では食事は決まった時間には取れないことが多いね。
今夜の宿は「さろまにあん」
部屋で荷物を片付けたあと、いつものように日記を付けようと談話室に降りて行くと、17時なのにもうひとりで飲んでいるおっちゃんが居た。挨拶したがどういうわけか無視されたので、こちらも構わず同じテーブルに座り、今日あったことを振り返りながら記録していく。(これをやらないとすぐ忘れてしまう)
夕食でそのおっちゃんと隣になったので再度挨拶したら、耳に手を当て聞こえない素振り。同行の方から、古いBMWのバイク乗りで、北海道ツーリングはベテラン、千葉で自動車会社経営、80才以上、難聴とのこと。
同室の方は、宇都宮から来たFI氏、一歳下、同じ今年退職し失業手当などの話で盛り上がる。
仙台から車で来られた親子3人組、お母さんは明日からバイクで旅するそうです。
『いやはや、北海道には本当にいろんな方が旅行されていますね。』
旅の半分が終わった!濃い毎日を過ごしている!
(前半はここまで)
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